組織検討委員会の答申



(98/06/12 Updated)



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平成10年2月28日
(社)日本アマチュア無線連盟
会長原昌三殿

組織検討委員会 委員長 大崎孝一

21世紀に向けてのJARLのあり方について(答申)
平成8年6月に諮問のありました、「組織についての中長期計画の検討」につ きまして、別添のとおり答申いたします。     21世紀に向けてのJARLのあり方について(答申) 1.はじめに  アマチュア無線は、無線通信技術の向上に貢献するとともに、パーソナルコミ ュニケーションの手段として活用されてきた。しかしながら、今日ではPHSや 携帯電話、インターネットに代表されるパソコン通信など、アマチュア無線に代 わるコミュニケーション手段の発達によりアマチュア無線人口が低迷している。 そこで第398回理事会に為いて、21世紀に向けてのJARLのあり方について 検討すべく、組織検討委員会の設置が決定された。  当組織検討委員会は、理事会から諮問を受け、高度情報化や高齢化社会の到来 等、急激なアマチュア無線を取り巻く社会環境の変化の中で、JARLの活性化 を図るために、地域社会とマルチメディアの先端技術に貢献できるアマチュア無 線のあり方を将来ビジョンの骨子として、鋭意検討を重ねた結果、次のとおり中 長期的な展望に立った答申を行うに至った。  この答申は、さきの組織改正委員会第3次答申を踏まえ、さらにJARLをと りまく、その後の社会情勢の変化や、JARLの会員数等の動向を考慮のうえ、 より具体的な内容となっているが、これらの実行となると既得権益を守るための 総論賛成、各論反対や、会員の広範なコンセンサスを得るべきである等の意見が 十分予測される。  しかしながら、今巨大化した組織を新時代に対応できる組織にし、さらに時代 に即した変革を進めなければ、公益法人としてのJARLは、一般社会に支持ど ころか認知さえ得られなくなる恐れがある。  今、我々のJARLが直面している諸問題の根本的な原因は、JARLの組織 が、社会や電波行政の中では思っている以上に大きな存在になっていることに気 づかないまま、アマチュア無線家として従来のやり方でやっていけると考えてい ることではないかと思われる。  すなわち、国家資格が必要な趣味、いわゆる「キング・オブ・ポピーのアマチ ュア無線」による電波利用という特別の扱いを要求し、それが認められてきたが、 今日では社会的にも世界的にもその甘えが許されなくなってきていることに気づ いていなかったということであろう。  今こそ、会員の一人ひとりが電波の公共性に鑑み、単に趣味の世界にとどまる ことなく公益法人であるJARLの会員としての自覚と、アマチュア無線家とし ての社会貢献のあり方に対して関心を持つべきであり、そのためには理事をはじ め役員は、JARL執行部としての責任の重さの認識を新たにするとともに、会 員へ十分な情報提供を行い、JARLの運営についての理解と協力を求めること に、一層の努力を傾注すべきである。もちろん、その根底には、会員をはじめと するアマチュア無線家の自己責任の確立が求められていることは言うまでもない。  本答申は、具体化が可能となるよう、中間報告を行ったうえで作成したもので あり、21世紀のアマチュア無線の発展とJARLの発展のために真摯な論議、検 討に供されることを期待する。 2.答申までの経緯 (1)委員会の構成    委員長 JA6ERV 大崎孝-    委 員 JA1DM  海老沢政良     〃  JM1MNW 竹内俊晴     〃  JH2XPV 杉山正     〃  JA3HXJ 長谷川良彦     〃  JA5IQD 越智繁彬     〃  JA6VVS 田中好人 (2)答申までの経緯、検討内容   丸1 平成8年6月29日〜30日     第398回理事会において、「組織についての中長期計画の検討」を諮    問内容として、組織検討委員会の設置を決定。   丸2 平成8年10月10日 第1回委員会    議題 a.組織検討委員会の今後の進め方について        ア.組織改正委員会の経過報告について        イ.短・中・長期の組織検討について        ウ.今後のスケジュールについて       b.その他   丸3 平成8年12月15日 第2回委員会    議題 a.21世紀における公益法人としてのJARLの使命について       b.会員の種別および資格の見直しについて       c.今後の最重要課題について       d.その他   丸4 平成9年2月2日 第3回委員会    議題a.継続協議事項       ア.地方本部および支部のあり方について       イ.アンケートの実施について       ウ.夢の創出について       エ.リーダー育成の方策について      b.会員サービスの向上と充実について      c.会員の種別および資格の見直しについて      d.その他   丸5 平成9年3月     「JARLNEWS」3月号において、組織検討委員会名で「21世    紀に向けてのJARLのあり方について」と題し、アンケートの質問項    目を掲載、3月末までに会員から913通の回答を得た。   丸6 平成9年3月20日 第4回委員会    議題a.リーダー育成の方策について      b.会員サービスの向上と充実について      c.会員の種別および資格の見直しについて      d.その他   丸7 平成9年6月22日 第5回委員会    議題a.組織および事業内容等のリストラについて      b.アンケート結果について      c.JARL NEWSの今後の方向性について      d.その他   丸8 平成9年8月3日 第6回委員会    議題a.中間報告のまとめについて      b.その他   丸9 平成9年9月     「JARLNEWS」9月号において、組織検討委員会名でアンケ    ート結果を掲載。   丸. 平成9年9月23日 第7回委員会    議題a.中間報告書案について      b.その他   丸. 平成9年10月18日    中間報告書を第410回理事会に提出。   丸. 平成9年11月9日 第8回委員会    議題a.事務局体制について      b.理事会からの意見に対する検討について      c.答申案の作成について      d.その他   丸. 平成9年12月14日 第9回委員会    議題a.答申書の作成について      b.その他   丸. 平成10年2月28日    答申 3.答申の内容 (1)21世紀のアマチュア無線のあり方 丸1 地域社会への貢献  従来より、アマチュア無線局の通信目的は、法令上の「アマチュア業務」の定 義に添って“個人的な興味による自己訓練”であると一般的に認識されており、 現在でもその基本は変ってはいない。  しかし、最近は、電波資源の需要拡大による有効活用の検討が進むなかで、と もするとアマチュア無線の存在意義が過小評価される傾向が見られる。その可能 性は、アマチュア無線が、「個人の趣味」であるという点に国民的理解が止まっ ている限り、今後ますます大きくなってゆくと思われる。  今後ともアマチュア無線が、一般社会に認められ、共生してゆくためには、ア マチュア無線の持つ通信手段の特性を生かし、社会への奉仕、あるいは貢献によ ってその公共性、公益性を認知させてゆくことが不可欠であろう。  具体的には、防災体制への参画により非常通信手段の一翼を担う、あるいは公 共性の高いイベントへの積極的な参加やサポートを申し出るなどの地域社会への 貢献が中心となるであろう。  そのためには、アマチュア無線家の意識の中に、“個人”から“社会”へとい うボランティア精神の醸成、あるいはアマチュア業務の定義とは矛盾しない“サ 一ビス”のあり方についての適切な方策を求めてゆく必要がある。 丸2 周波数帯の有効利用 a.U・SHF帯以上  昨今、多様な移動体通信の普及や衛星を介しての宇宙通信や放送の進展、ある いは、ワイヤレスカード等の微小電力による電波利用技術の発展等による電波の 利用は、高度化するとともに、次第に高い周波数帯にその資源を求めてきている。 そういった電波の利用度が高くなるにしたがい、特に以上の周波数帯にお けるアマチュアバンドの確保、維持が難しくなってくる状勢にある。  このアマチュアバンドの権益を守るためには、アマチュア無線局の周波数利用 度を高め、その占有根拠を強固にすることが、当然のことながら不可欠である。  近年、アマチュア無線家の興味の中心が、大電力による遠距離通信におかれる 傾向があったが、次第に高速多重通信等に技術的興味を持つ人が出てきているこ とも事実である。  もともと、技術振興策の一環として、また電波利用技術のパイオニアとしての アマチュア無線の役割を果すという原点に還った研究・開発への意欲促進策が、 パンド防衛の道につながるものである。特に、マイクロ波帯の利用技術の開発・ 促進が急務であり、その具体的な助成簾を講じる必要がある。 b.HF帯  我が国の短波帯無線通信については、アマチュア無線局を除いて、光ケーブル や衛星通信等の普及にともない、利用が減少する傾向にあり、今後はアマチュア バンドに割り当てられる可能性が大である。  特に、諸外国に比べ、アマチュアバンドの占める割合が少ないパンドについて は、国際的により整合性のとれたアマチュアバンドに拡充する必要がある。 丸3 包括免許制度の導入  現在、我が国の規制緩和や行政改革が進むなかで、行政事務手続きの簡素化、 迅速化は、その重要な課題の一つである。アマチュア無線に関しても、包括指定 制度や、包括免許制度導入は、永年の願いである。  これは、我が国の免許制度が無線設備を管理することに重点を置いている限り、 改革は容易ではないが、自己責任の確立と浄化作用が進み、それにより社会の支 援が得られれば、実現も可能である。 丸4 科学技術振興への寄与・役割  アマチュア無線の公益性を裏付ける名目の一つとして、科学技術振興への寄与 が挙げられるが、昨今マルチメディア関連技術の華々しい革新が目立っ余り、ア マチュア無線の先進的役割の影が薄らいでいるのも事実である。かつて、我が国 の電子立国に貢献した、幾多の人材育成の面で、ラジオ少年を生み育ててきた歴 史的事実も、今日では忘れ去られようとしている。  特に、学校教育のなかで科学する心、創意工夫による物づくりを育てるカリキ ュラムの欠如などが指摘されているが、アマチュア無線界においても、後継者育 成の指導的役割や、魅力ある分野開拓への努力を怠ってきたことへの反省も、忘 れてはならない。青少年に関心をいだかせるアマチュア無線のあり方の追求が、 結果として科学技術振興へ寄与することにもなる。  さらに、アマチュア無線家の中核になっている経験豊富なペテランへ働きかけ、 集団として研究テーマの共有化や、研究機関との連携による効果的な開発実験へ の協力等が実現できれば、進展の速い技術革新、特にマルチメディアの分野に、 貢献する糸口がつかめると考える。 丸5 国際協力と相互運用協定等の推進  世界的に圧倒的多数を占める、我が国のアマチュア無線局は、国際的連機の上 にたった、世界のアマチュア無線の発展・振興のために果たす役割が、今後ます ます大きくなる。そのためにも、ITU,IARU等の国際機関への協力、諸外 国のアマチュア無線団体との協調について、連盟が中心となって尽力している。 しかし、その実態を、一般のアマチュア無線家が余り認識していないことが問題 である。  資格御度や免許御度が、国際的に共通化の方向に改善されることも期待して、 各国との相互運用協定や、国際共通免許を積極的に推進していくことは、我が国 のアマチュア無線界の国際性をより高めるための手立てとしても、有効ではなか ろうか。 丸6 従事者資格の見直し  これまでのアマチュア無線従事者の急激な増加は、我が国のアマチュア無線界 の発展・振興の原動力となっている。  一方では、急激なアマチュア無線局の増加が、電波利用秩序維持の観点から無 線局運用技術の質の低下を招いた根源でもあるとの見方もあり、今後、我が国の 健全なるアマチュア無線の育成・振興策を考えるとき、資格制度をどのように位 置付けてゆくべきか、充分な検討が必要である。  すなわち、現有の第4級アマチュア無線技士を中心としたニューカマーに対し、 運用技術向上の啓蒙活動を活発化すると共に、資格制度の見直しが最重要課題で ある。 (2)JARLのあり方 丸1 公益法人としてのJARL  日進月歩で進化するマルチメディア社会に対応し、法制面で制度の改革・整備 など、公益法人としての役割を果たすため、組織率の向上は必須命題である。そ のために、世紀を見据えた、マルチメディア社会に対応できる会員制度の確立 を図る必要がある。  アマチュア無線局に対する各種サービスの中で、特に公益性の高いサービスに ついては、国や地方公共団体など公的機関から、財政的なものを含めた何らかの 支援を求めるべきである、 丸2 会員サービスの向上  先の会員アンケート調査によると、会員サービスの向上が強く求められており、 会員のニーズに合ったサービスが必要である。  そのためには、QSLカードの転送、地方本部・支部などの活動の活性化、J ARL NEWSの充実のほかにインターネット・FAX・CD−ROMなどの 媒体を使って、各種の情報サービス(旅行、アウトドア関係、パソコン)を 実施することが重要である。 丸3 地域社会への奉仕活動  地域社会での社会奉仕活動には積極的に参加し、アマチュア無線に対して理解 と協調を求めるための施策を推進するとともに、アマチュア無線を使った国際協 力や国際交流などについても、国内外の関連団体と連携し、国際的規模で奉仕活 動を実施し、JARLに対する積極的な理解を求めるべきである。 丸4 運用マナー向上とビギナー養成  アマチュアバンド内の不法・違法局対策や、一般の運用マナー向上対策が急が れるところであり、また将来のアマチュア無線界の裾野を拡げるためにも「ビギ ナー養成」は不可欠である。  支部および傘下の登録クラブなどを中心に「リーダー」を育成し、運用面・技 術面はもちろん、良き社会人としての活動を広く実践していくことが望まれる。 さらに、JARL会員の構成を若年層から高齢者まで広げるために、強力なリー ダーの育成が急務であり、「リーダー育成講習会」を地方本部毎に実施すること を検討すべきである、 丸5 予算の適正配分と執行 JARL全体および地方本部・支部での事業計画を年次毎に見直し、アマチュア 無線界、マルチメディア社会の動きを意識した重点活動方針とテーマを毎年次毎 に決定し、当該年度の事業計画・予算を適切に決定、執行する体制を整えるべき である。  このため、理事会内に「○○年度事業計画策定委員会(仮称)」を設けること や、その実施および監査について「ガイドライン」の作成を検討すべきである。 (3)地方本部の見直し 丸1 JARL本部と地方本部との連携  地方本部は、地方本部規定で定められたとおり、その立場は単なるエリアの調 整役的な色合いが濃い。このため、地元の権利を確保する傾向は否めないが、こ れからはJARL全体の組織運営に立った温点が求められる。  地方本部は、地域の単なる調整役だけでなく、その組織機能を高めるために、 監査指導委員会の地方本部への組み込みを図るとともに、支部合同行事の主催、 地方電監との情報交換機能を備えた組織に組み替える必要がある。  同時に、将来の支部再編成を推し進める際の障害をも吸収できる力を備え、単 なる地方組織としての側面だけはなく、財政執行における監督責任の強化や、一 部中央機能を有した、より広域的な機能を持たせた組織にする必要がある。 丸2 JARL情報機能の連携強化と一本化  地方本部は、JARL本部と地方本部との連携を促進させるため、地方本部の 構成貝である支部長、監査長、会計監査のみならず、評議員、監査指導委員長を 含めたJARL運営に携わるもので構成し、情報の一本化と伝達機能を高めた組 織構成を図るべきである。 丸3 地方本部事務局の設置と強化  地方本部の強化にともない、業務処理の実効性をより高めるために、現行の地 方事務局は従来の業務の他、JARL本部から支部への予算の配分や運営指導等 の権限の委譲を加えた地方本部事務局に改革し、地方本部長を補佐する機能と権 限を持たせることも、将来にわたって検討すべきである。 (4)支部の見直し 丸1 支部の活性化  支部は、JARL運営の根幹をなす最も大切な組織体であることから、JAR L本部はその育成に努め、健全な運営を図る環境を提供する必要がある。支部活 性化のためには、地方本部が運営指針を示すとともに、その実行を支援し、総合 的なバランスのとれた、自主性のある支部を育成しなければならない。  そのため、現行規定による支部大会開催だけではなく、支部長の裁量によるあ る程度自由な行事立案を認め、近隣支部間の合同催事を推進すべきである。また、 その活動をより綿密に観察、指導監理し、適正執行を促すとともに、登録クラブ の位置づけを明確にし、支部組織として活動できるよう、現状を見直す必要があ る。 丸2 支部費の配分、予算の画一性の見直し  現在の定額をベースにした、会員一人あたりの積算による支部費の配分は、支 部の会員数格差から、運営面においてアンバランスが生じている。  支部費の配分については、将来的には現在の方法を廃止し、支部の再編成を推 し進める中で、各支部の行事における必要経費の出費に重点を置く制度に改める とともに、合同催事を推進させ、効率よい予算の執行を押し進めるべきである。  また、支部費配分後の使途に関する会計監査制度を改め、より適正な支出を促 す指導方法を速やかに講じる必要がある。行事に見合う必要経費の適切な執行に よる公平感は、会員相互の信頼を得て、組織の活性化にもつながることが期待で きる。 丸3 支部格差の是正  都道府県を単位とする支部の設置は、その都道府県の人口格差に比例して、J ARL会員数にも格差を生じさせている。正員数が千人に満たない支部が支部 も存在し、さらにその構成は、1万3千人の支部から、人に満たない支部ま であり、アマチュア無線局総数とJARL会員の組織率を見ても、%を越える 支部から6%台の支部まで大きな開きがある。  支部の格差は、組織面、財政面において支障をきたしていることから、一定の 会員数をもって支部を組織するべく支部規定を改正し、一定数に満たない支部等 は、隣接する県および文化を共有する地域の複数をもって支部とする等、見直し を図るべきである。  当然、組織率も支部設立の要因や、支部への補助等の条件に加え、組織率向上 に寄与した支部に対しては、何らかの特典を与えるなどの配慮を加えるべきであ る。 丸4 登録クラブの支部組織への組み込み  支部の活性化を促進するため、JARL登録クラブの規定を見直し、活動的な アマチュア無線家を擁するクラブをJARL組織の一部に取り入れることを検討 すべきである。JARL組織としてのクラブには、支部事業への参画を含めた支 部活動の母体となる役割を求めるとともに、JARL NEWSの発送、QSL カードの転送や会員獲得等についても割引制度などを導入し、クラブに対する恩 典を検討することも必要である。 丸5 内部監査制度の導入  支部費の使途は、定款、支部規程等で明確に定められているものの、その執行 については、支部長の裁量権に委ねられており、使われ方は必ずしも均一ではな い。  現在の地方本部会計監査制度では、書類上の監査が主体で、完全に経緯を把握 するには至っていない。予算執行が絡む行事では、その都度適切な運営計画およ びその報告を受けるとともに、支部内部に為いても適切な監査創度を導入し、予 算執行の透明性を高めることが必要である。 (5)理事・支部長・評議貝の役割 丸1 理事  理事の定数は、現行の20名を削減すべきである。  社団法人の理事は、執行機関であると同時に代表機関でもある。また、理事会 は、理事に属する事務について、法人の機関たる理事の意見を調整し決定するた めの理事の合議体であり、重要な役割を有している。  理事はJARLの事務の運営を委託された事務管理人たる地位を有するもので あり、善良な注意をもって職務を執行する義務を負うこととなり、その注意義務 を怠った場合は、法人に対して責任を負うことは明確である。  ゆえに、その職務に対する力量と責任の自覚を強く求められるとともに、理事 会は執行機関としての迅速性および効率性のある体制の強化が要求される。選出 にあたっては、地方本部選出理事については、地方本部の事業および役割の見直 しの中で、また全国選出の理事にあっては、会員の動向および事業規模や内容を 考慮して、早急に定数の見直しを行うべきである。 丸2 評議員  評議員の定数は、現行の47名を削減すべきである。  評議員会は、理事会等の執行機関の業務執行の公正化、適正化を図るための諮 問機関として位置づけられている。  評議員の選任にあたっては、諮問機関として十分に機能が果たせるよう、JA RLの事業、運営に関して見識を有する者を幅広く求める必要がある、  その選出は、評議員の性格からして、現行の都道府県毎の選出から、全国また は地方本部単位とするのが相当である。また、法律や会計等に専門的な知識を有 する、いわゆる推薦評議員の導入を図るべきである、 丸3 支部長  支部長は、JARL支部と、支部の事業の見直しと照らし合わせるため、今後 の検討課題とする。  なお、支部長連絡会については、地方本部会議との関連を考慮し、その位置づ けおよび運営方法を見直すとともに、現行の年2回を1回とするべきである。 (6)会員制度の見直し(会員の種別および資格の見直し)  先の、組織改正委員会の第3次答申では、会員数を大筋として増加の傾向(巨 大化することを想定した)としていたが、その後のJARLの会員数の推移は、 平成6年をピークとして減少しており、今後も特段の事情の変化がない限り会員 数の右肩下がり傾向は続くものと予想される。  会員数減少の理由は、社会的、経済的な環境の変化によることもあるが、アマ チュア無線家を志す人が激減していることにある。JARL会員として加入を促 進し、持続させるためにも、会員制度を見直す時期にきていることから、会員の 資格および種別等は、第3次答申をふまえて、次のとおりとする。 丸1 正員  a.正員は、次の名号に該当する個人であること。   ア.電波法に規定するアマチュア無線局の免許保持者であって満20歳以上の    者であること。   イ.会員として、3年以上在籍している者であること。   ウ.本人の申し出により、理事会が認めた者であること。  b.正員は、JARLの組織及び事業の運営に責任を持つものとする。  c.正員を民法上の社員とする。 丸2 会員  a.会員は定款第4条の目的に賛同して入会した個人又は社団であること  b.会員は、QSLカードの転送や機関誌JARL NEWSの配布をはじめ   とするJARLの無料又は有料の各種の抄一ピスを受けることができる。 丸3 名誉会員:現行どおり 丸4 賛助会員:現行どおり 丸5 その他  a.正員・会員の会費の額については、社会・経済情勢なぎも考慮のうえ、決   定する。  b.会費の割引は、従来の家族会貝に加え、満歳未満の者や身体障害者へも   適用する。  c.会費前納制度(規則第条第3項)は、その制定当時の意義およびJAR   Lへの貢献は十分認められたところであるが、今日、資金運用の面で制定時   と事情が大きく変化していることから、今後速やかに本制度は廃止すべきで   ある。    さらに、前納者に対しては、早急に実態調査のうえ、年齢別会費制度や割   引制度等により、清算・継続を含めて会費の調整を行うことも検討すべきで   ある。 (7)会員サービス  会員へのサービスは、内容の充実や種類の増加などにより拡充をはかる必要が ある。  今日の財政状況のもとでは、会員サービスも可能な限りのリストラを図らねば ならないが、実質的なサービス低下とならないよう配慮しなければならない。 丸1 広報事業  JARL NEWSは、JARLの唯一の広報誌でもあり、かつ会員相互の情 報交換提供の機関誌でもあることから、例えば、文芸欄、意見コーナー、売り買 いコーナーの欄を設ける等、内容の再検討をすべきである。さらに、インターネ ットのホームページやファックスサービスを積極的に利用し、より多様でタイム リーな情報サービスを提供すべきである。また、財政状況によっては、例えば、 JARL NEWSの年間回の発行を隔月発行にする等、見直すことも必要に なろう。  出版物の広告の対象も、アマチュア無線と関連する、パソコン、レジャー、旅 行や車などにも積極的に拡充を図るべきである。 丸2 QSL転送  QSL転送は、重要な会員サービス事業の一つである。現在は、すべて無料で 転送しているが、一定数を超える枚数については、会員制度の見直しとリンクし て有料化(受益者負担)を検討すべきである。また、非会員あての有料による転 送も検討すべきである。 丸3 会員活動  アマチュア無線への興味を高めるため、ビギナーの育成やモールス認定などの 活動を、また非常通信への協力を通じて社会への貢献を計ることが重要である。  コンテスト、アワードなど、基本的な会員活動については、さらに積極的にサ ービスを拡大することが必要である。レピータ局の免許については、受益者負担 の意味合いから、管理団体にその費用を分担して貰うことを検討するのが望まし い。 丸4 一般サービス  現在実施中のアマチュア無線機器保険、ホテルの割引など付帯的なサービスは、 今後も一層の拡充を図るとともに、各種クレジットカードならびにコンビニエン スストアでの会費の支払い等、積極的に会費納入の利便性を図るべきである。 (8)監査指導のあり方  JARLは、従来組織上、会員事業とは別に監査指導体制を執ってきたが、今 後は会員事業の中で実施するのが望ましいと考える。  したがって、監査指導業務全般の見直しが必要である。 (9)選挙制度の見直し 丸1 理事  地方本部区域ごとの選出理事と、全国選出理事はともに必要であるが、その定 数については、会員の増加が見込みにくい現状および、組織運営上の効率を考慮 し、推薦理事を含めて17名程度を基準とすべきである。  理事選出は、現行の選挙制度によるが、全国選出理事の投票用紙の連記数につ いては、必要最小限にとどめたい。 丸2 監事  現行どおりで良いと考える。 丸3 評議員  地方本部区域ごとの選出評議員と、専門分野からの椎薦評議員とし、その内訳 は、各地方本部区域ごとに2名、理事会の准騰による学識経験者2名による総数 名程度を基準とすべきである。 丸4 支部長  将来、支部の統合・整理が行われた場合には、見直しが必要である。 (10)総会のあり万  社団法人の総会は最重要事項であり、その準備、運営の円滑化をはかるため、 下記の点について検討することが重要である。 丸1 総会 a.開催地の選定  現在のエリア別持ち回り方式が良い。 b.運営 ア.議長団の選出  運営を円滑にするため、議長団の構成については、経験者の導入などを考慮す る。 イ.質問者と質間内容  質問者がほぼ固定しているのが現在の問題点である。質問は多くの会貝が自由 に質問できることが前提であるが、質疑の混乱を避けるために、質問内容の事前 提出を求めることを検討する必要がある。 ウ.運営マニュアル  総会の運営ならびに議事進行のためのマニュアル制定が望まれる。 丸2 前夜祭  会員の懇親を深める機会でもあることから、実行委員会主催によるその必要性 は認められる。しかし、総会の前夜祭としての品格を保つためには、その計画の 段階からJARL本部に意見照会をする等、運営に関してJARL本部と実行委 員会との連携を図るべきである。 (11)事務局体制について  将来のアマチュア無線とJARLの在り方に対応し、事業に即応した業務を効 率的に実施するため、リストラを含め事務局の組織ならびに体側を早急に検討す ることが必要である。



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